社内異動から、はや一ヶ月。
クライアントビジネスのより本質的な課題解決に取り組むことになって、とにかく「考える」ことについてまじめに考えるようになりました。
人気ブロガーのちきりんさんが著書「自分のアタマで考えよう」で述べられているように、「自分の頭で考えるとは、知識と思考をハッキリ区別すること」ですね。
たとえば、何かのデータや、それをグラフにしたものを見て、「なるほど、やはり◯◯の影響が大きくて国内の売上は下がってるな」という結論を出したといます。
でもこういう場合、自分の頭で考えたようで、実は、既に過去の事例やニュースなんかで知っていることを当てはめただけという、つまり頭の中から「知識」を取り出してきただけという場合が多いのです。
これは、自分で考える「思考」とは違うものです。
「知識」は、誰かがすでに考えた「過去の事実」。
「思考」は、自分で論理的に考えて到達する「未来に向けたこと」。
実は僕、恥ずかしながらこのことに気がついたのは、社会人も5年目になって、27歳で留学した時のことです。
それまでは、学校の勉強、たとえば数学ですら、たくさんの問題をこなして出題パターンを覚えることだと思っていましたし、会社の仕事も先輩のやり方を覚えるものだと思っていました。
留学先の大学で、レポートや試験が、「習っていないこと」を問われるものばかりだったことで、初めてこのことに気がついたのです。
課題に直面したとき、「知識」があればあるほど、無意識のうちに頭の中から「過去の解決事例」を引っ張りだしてきてしまう。
つまり、「知識」が「思考」の邪魔をしてしまうというわけです。
せっかく27歳のときに、このことを理解したと思っていたのですが、最近また危ういことに自分で気がつきました。
年をとると、どんどん「知識=思考の邪魔」が増えるわけで、油断をするとすぐに知識だけで結論を出してしまいそうになります。
その業界で長くやっていれば、その分野には詳しくなります。
でも詳しくなればなるほど、思考の邪魔が増え、新しいアイデアに否定的になってしまうわけです。
僕も広告業界で12年。
ややもすると、安易に過去の経験から結論を出しがちですが、ここはもう一度、自分の頭で考えることを意識したいなと思います。
新たなデータや情報に向き合うときには、知識を一旦横において、本当の自分の思考から新たな結論にたどり着けるよう、もう一度、強く意識しようと。(もちろん、その結果、知識と合致することもありますが)
ということで、今日はこのへんで(^^