ビジネス書を出版したい!と思ったら読むべき本【厳選5冊】僕が経験したこと

こんにちは、キョウイです。
僕はこれまでビジネス書を3冊出版しています。
これらの出版活動は、僕のその後の人生を少なからず変えました。

なので、よく人に本を出すことを勧めています。

でも今思うと、「こういうことをあの時に知っていればなあ」ということもたくさんあります。
最近では、出版のノウハウを解説するビジネス書も多く出ています。


今回は、僕の経験を交えつつ、「ビジネス書を出版したい!と思ったら読むべき本」を5冊厳選して紹介したいと思います。

1.僕がビジネス書3冊を出版した経験

まずは、僕が出版した3冊のビジネス書を、その時の経験談とともに紹介させてください。

1冊目【ロングエンゲージメント(あさ出版)】


当時、広告会社の営業局で中堅だった僕は、担当していたクライアントと自社のクリエーティブスタッフとの板挟みにあってばかりの苦しい日々でした。

でもその要因は「自分に何かを判断できるような『軸」がないからではないか?だから反論ができないのでは?」との考えに至りました。
で、苦しまぎれにとった行動は…

「軸となる何か」を探すため、当時広告業界の最先端の見本市とされていたフランスの「カンヌ国際広告祭」を視察しに自腹を切って行ったのでした。

この本は、そこで見つけた自分なりの「答え」を書いたものなのです。

「SNS時代の到来で、企業は顧客との長期的な関係づくりが必要になる。だから広告は瞬発力よりも、持続力が大事になる」

出版に至る何もかもが初めてで、すったもんだの連続。大変な難産でしたが、これを機に僕の人生は変わっていきました。
ちなみに本書は、韓国とタイでも出版されました。

2冊名【つなげる広告(アスキー新書)】


「ロングエンゲージメント」がそこそこ話題になったあと、同じ価値観を持った人たちとの交友が一気に広がりました。

いろんな業界の人たちと生の情報を交換する中で、前著で抽象的にとらえていた概念が「具体的な解」として整理されてきました。
で、鉄は熱いうちにと、すぐ続編として書いたのがこの本なのです。

今回は企画の構想中に編集の方を紹介していただき、すぐに出版が実現しました。

すごく前のめりになってしまって、新書なのに「ファンマーケティング」や「ゲーミフィケーション」など、かなり専門的で深い内容になってしまいました。

ちなみに、本書の文章が抜粋され、高校の現代国語の教材として使用されました。

3冊目【学校でも会社でも教えてくれない企画プレゼン超入門(ディスカバー21)】


この本は、初めて出版社側から依頼されたものです。
「ロングエンゲージメント」の企画をいろんな出版社に持ち込んでいたのですが、連絡をもらった時には他社で先決していたため、別の企画として相談いただいたのでした。

キャラのある登場人物の対話形式、図解の多様など、いろいろ初めてのチャレンジでした。

当初はコンビニで販売するムック本でしたが、その後に書店版も出版され、トータルで10万部を超える大増刷。発売から10年が経つ今でも、講演やセミナー依頼がきます

やはり濃く掘り下げた専門書より、やさしく体系化されたノウハウ本がロングセラーになるんだ、と気づかされたのでした。

2.ビジネス本を出版する本当の狙いとは?

実は、僕たちビジネスパーソンにとって、出版の狙いは「印税」ではありません
専業作家のように、「出版で稼ぐぞ〜」・・・ではないのです。

では、何のために本を出すのか?

ビジネス書出版の「本当の狙い」を考えてみましょう。

ビジネス書出版の本当の狙い

・その分野の専門家=先生のブランドを手にいれる。

・ビジネスに有利な前提をつくる。

・ビジネスの顧客集客のリードにする。

・同じ価値観の仲間を集める。

・情報発信の影響力を持つことでチャンスを広げる。


どうでしょう?

つまり、出版は自分のビジネスを大きくする「投資」なんですね。

このような「ビジネスとしての出版」という視点で書かれたノウハウ本を紹介します。

オススメ1【さあ、本を出そう!出版一年目の教科書】 金川顕教


本書は、公認会計士やビジネスプロデューサーなど様々な肩書きを持つビジネスパーソンの著者が、ビジネス書作家、出版プロデューサーという立場で「ビジネスのための出版」を指南するものです。

出版プロデューサーと組みながら、お金はかけても時間をかけずに売れる本をつくっていく、門外不出のノウハウが開示されています。
こういう現実もあるんですね。

まさに、ビジネス出版は「投資」だと納得します。

2.出版企画と出版社へのアプローチ

そんな狙いのために本を出すなら、自費出版では意味ないですね。「商業出版」一択です。
しかも、単著です。

なので、自ら出版企画を立て、編集者に売り込んで、採用されなければなりません
僕はここで苦労したので「もっとこうやればよかった」と思うことがたくさんあります。

出版企画に必要な3つの要素

① 著者自身が企画となるような「プロフィール」
・どんな特異性のある人物なのか?もうSNSでは有名?

② インパクトある「タイトル(仮)」
・「気づき」or「提案」or「共感」があるか?

・「全く新しい」or「ありそうでなかった」か?

③ 設計図としての「章立て」
・本の構成と内容がイメージできるか?

これら3つが揃っていれば、とりあえず企画としては成立します。
だらだらと長く書く必要はないと思います。

とくに著者自身が「何かに飛び抜けた特異な存在」であれば、それ自体が企画になります

要は、編集者に「この人と会ってみたい」と思ってもらえるかどうかですね。
出版社にアプローチする3つの方法

① 企画の持ち込み
・自分のテーマに合いそうな出版社を検索し、かたっぱしから企画を郵送。

・近年は、ネットで持ち込みを受け付けている出版社もあります。

② 紹介で編集者に会う

・誰かの紹介で編集者との面談へ。編集者も常に著者を探しています。

・ただし、より著者のキャラクター(特異性)が求められると思います。

③ 出版プロデューサーに依頼

・僕は経験ありませんが、実績あるところに相談するのはアリだと思います。

・出版を「投資」と考えるなら、一番早いかもです。

オススメ2【今すぐ本を出しなさい】水野俊哉


世のビジネス本を点数で評価した本「ビジネス本作家の値打ち」で有名な著者は、実は出版プロデューサーが本業。
本書では「出版マーケティング」という手法を提唱し、ビジネス拡大の手段としての出版を解説しています。

企画の通し方や出版社別の傾向から、出版後のプロモーションまで、まさにプロデューサーとしてのノウハウ満載です。

本書を読むと一度出版プロデューサーに相談してみたくなりますね。

3.原稿の書き進め方

小説を書くことと、ビジネス文章を書くことは全く違います
「よい文章」の考え方が違うし、すべてに裏どりが必要です。

いずれにしても、原稿を書くのはめちゃくちゃ大変です。1文字ずつコツコツと書ていくしかない。

そんな孤独な戦いにおいて「先に知っておけば少しは楽かも…」と思うことです。

原稿の書き進め方

※伝えたいメインのメッセージはひとつで一冊です。その上で・・・

① エピソードや事例や参考文献をすべて書き出す
・とにかく調べる。材料を集める。
・この材料を説明するだけで、10万字を超えるくらい集めましょう。


② 全体を「章立て」し、章内を材料で埋めていく

・章立ては「前提(共感)→ 新しい説(発見)→ こうしよう(提案)」。

・章内は「結論 → 理由 → 具体事例」で埋めていく感じです。


③ 10万字を書くための時間感覚を知っておく

・一冊の目安は10万字。原稿用紙で250枚。

・自分が1時間で何字書けるかを知っておきましょう。

たとえば、僕の場合、1時間に600字程度しか書けません
1日5時間書いても33日≒1ヶ月かかります。

小説などの創作文章と違って、ビジネス文章の場合はひとつずつエビデンスで裏どりしていくべきだと考えているので、時間かかります。

あと文章を書きながら「その内容、難しすぎないか?」と、常に自問しながら進めましょう。
自分は専門家でも、読者はそうではありません。

「ちょっと、やさしすぎるかな?」ぐらいがちょうどいいと思います。

オススメ3【「超」文章法 】野口悠紀雄

『「超」整理法』が有名な経済学者の野口先生ですが、本書も隠れた超名著。
僕はこの本で、小説とビジネスでは、「いい文章」の定義が違うことを教えられました。

伝えたいメッセージの設定から、冒険物語のようなストーリーの構築、説得力ある文章の作り方まで、この通りに進めれば、本が一冊書き上がります

僕の最初の著書「ロングエンゲージメント」の執筆は試行錯誤でしたが、本書の助けがあって書き上げることができました。

4.印税の実際

さて、最初に「ビジネス書出版の狙いは印税ではない」と言いました。
裏を返せば、それを狙うのはなかなか難しいということでもあります。

そんな、ビジネス書における印税の現実を見ておきたいと思います。

ビジネス出版での印税の実際

① 印税は価格の6〜10% ?× 刷り部数

・ビジネス書の世界に「原稿料(原稿用紙1枚いくら)」はないと思う。

・印税は出版社との契約次第。新人は8%くらい?

② 新人の初版刷り部数は、3,000部から6,000部?

・刷り部数が印税額に直結。売れなくても刷れば印税になる(実売部数契約は別)。

・新人の場合、初版は5〜6,000部刷ればいい方?近年は、3,000部もある。

③ 全部、プロモーション費用に充てる人も
・著者の中には、印税を全額プロモーションにするよう、出版社に依頼する人もいるという。

・それでビジネスが拡大すればいいのでしょう。

僕の場合の印税も、それぞれ契約条件があってパーセンテージや刷り部数も違います(ここで開示するのは控えますが)。
ただ実感として、ビジネス書の印税だけで食べていくには、ものすごい数の出版をものすごいペースで続けていく必要があるし、そうとう大変なことなんだろうなと思います。

やっぱり、ビジネス書の専業作家って、無理ゲーか・・・。

で、ビジネス書の印税事情を開示している信頼性のある本がなかなかないので、文芸作家が著作であるこちらの本をオススメしたいと思います。

オススメ4【作家の収支】森博嗣

『すべてがFになる』でデビューの人気ミステリー作家が、これまで19年間の作家収支を詳細まで明かした、掟破りの本です。

総発行部数1,400万部、総収入15億円

これを読んで、「文芸作家とビジネス書作家はここまで違うのか?」と、愕然としました(汗。

もちろん、僕は森博嗣さんの小説のファンです。

5.出版後の人生に何が起こるか?

さて、結局、ビジネス書を出版することで、どんなことが起きるのか?

「本を読む」ことで、何かを学ぶことはできます。
でも「本を出せば」、自分が何者かを「宣言」することができます

一冊の出版が人生をどう変えるか?
僕の少ない経験からですが、まとめてみようと思います。

出版後の人生に何が起きる?(僕の場合)

・講演依頼がたくさん
・雑誌やウェブの寄稿依頼、コラム連載など

・仕事の案件相談がたくさん
・社内の専門部署に異動、同じ価値観の仲間たちと集う

・大学講師に就任

・さまざまな企業の方々、ライバル会社など垣根を超えた人脈がたくさん

 などなど

と、いろんなことが一気に起きて、本当に人生は変わりました。

でも一歩引いてみると、実はこれらは表面的なこと

本当は、もっと本質的変化が自分の人生に起きていたと思うのです。
出版後の人生に起こる、本質的なこと

自分の専門性、人生の軸、社会に貢献できることが見えたことで、「僕はこれで生きていこう!」と考えるようになったこと

オススメ5【人は誰でも作家になれる】中谷彰宏


本書は、僕の最初の1冊「ロングエンゲージメント」が出るまで、折れそうになった気持ちを支えてくれました。

“1冊の本も出ないうちに、忙しくなる日のために書きためておこう”

“1日1枚書けば、1年で1冊の本になる”

“1行でもいいから書こう。そして24時間以内に、もう1行書こう”

などなど、心に残る「一行」がたくさん。

30分で読めるので、何度も何度も読み返しました。

今でも僕の心の支え。バイブルです。


ということで、最後にもう一度、全体のエッセンスをまとめておきますね。

まとめ

1.狙いは印税でなく、自分のビジネスの拡大!

2.企画は「著者」自身。とにかく出版社へのアプローチ!

3.原稿は章立てし、集めた材料で、10万字を埋めていく!

4.ビジネス書の印税事情はキビシイ。専業作家は無理ゲー?

5.自分の中に「これで生きていく」という人生の軸ができる!

今回は「ビジネス書を出版したい」と思ったら読むべき厳選5冊について、僕の経験も含めて記しました。
参考にしてもらえたら、うれしいです。

ぜひ、みなさんもビジネスチャンスを広げるために、出版にチャレンジしてみてくださいね!

では今日は、このへんで!(^^

「人生を変える必読ビジネス本40冊」については、以下のエントリーを参考にどうぞ!

【ビジネス書・自己啓発本おすすめ40冊】必読名著を要約!【2023決定版】