「信頼できるコミュニケーション」と「信頼できないコミュニケーション」は何が違う?

また最近、はじめてお会いさせていただく方が多くなってきました。
仕事の領域を広げると、当然、人と新たに出会う場面も増えてくるわけですね。
で、こういった初対面の方に信頼されるためには、どんなコミュニケーションを心掛けたらいいのかを、よく考えるようになりました。

たとえば、こんな人は信頼できるでしょうか?
「昨日のことは昨日だけ。今日の私は関係ありません。明日もまたどうなってるか分かりません」

こんな人、信頼できないですよね。「いつのあなたを信じたらいいの?」となるはずです。
過去→現在→未来という連続性がなく、つながりがブツブツ途切れていると、人は不安になるんですね。

もうひとつ。
「私のやっていることは、世の中とも、誰とも、何も関係ありませんから」

これも不安になります。人や社会とのつながりからの立ち位置が見えないことも、人を不安にするんですね。

ということは、逆に言うと、
① 過去→現在→未来というタテのつながりを明確にする。
② 人や社会とのヨコのつながりを明確にする。

ことが、はじめての人とのコミュニケーションにおいて、信頼を得る大事なポイントになるわけですね。

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これは、自分自身を相手に伝えて信頼されたい場合にはもちろんですが、相手の立場を理解して信頼を得るコミュニケーションとしても大切なことです。

コミュニケーション・インストラクターの山田ズーニーさんの本に「部下に異動を告げる」という、いい事例がありました。

×悪い例
「来月から営業に行ってくれ。人が抜けて大変らしいんだ」
これは、タテのつながりも、ヨコのつながりも見えておらず、相手を不安にさせます。

◯良い例
「来月から営業で活躍してほしい。君はここで技術のことを良く理解した。営業で現場と技術の架け橋になって欲しいんだ」
これは、過去→現在のつながりを説明していますね。

◯良い例
「営業で活躍してほしい。君は将来どの分野で活躍したい?どの道に進むにしても、ここで現場を知っておくことが貴重なキャリアになるはずだ」
これは、現在→未来のつながりを説明しています。

◯もうひとつ良い例
「営業で活躍してほしい。技術面で悩んでいる取引先が多い。君の知識を活かして業界をテコ入れして欲しいんだ」
これは、社会とのつながりを説明していますね。

実はこういった、つながりを明確にすることで信頼を築くということは、広告コミュニケーションにおいても同じです。
広告は目立ってナンボ、毎回毎回、人の目を惹きさえすればいい・・・というものではありませんよね。
企業がその商品、サービスを提供するに至ったタテのつながり、世の中のどんな役に立つのかというヨコのつながりを明確にして、生活者の信頼を得ることが、広告の大事な役目なわけです。

ということで、コミュニケーションのポイントさえ押さえていれば、初対面の人にだって信頼してもらえるって話でした。
今日はこのへんで(^^