ソーシャルの次はゲーム!

僕も昨年から情報を追いかけてる「ゲーミフィケーション」。
震災直後に立ち上げた節電ゲームで話題になった井上明人さんの著書、その名も「ゲーミフィケーション(NHK出版)」を読んで、かな~り感銘をうけました。

ゲーミフィケーション―<ゲーム>がビジネスを変える/井上 明人

ゲーミフィケーションとは、ポイントが与えられたり、ランキングが示されたりと、ゲームの考え方を、ゲーム以外の社会的活動に活用していくものです。
2011年8月に、アメリカのIT調査機関として権威あるガートナー社が「注目すべき大きなテクノロジー」として「ゲーミフィケーション」を選んだことで、WEB2.0、クラウド、フリーミアム・・・こういった言葉に続くものとして熱狂状態が続いているんですね。

たとえば、汚い話ですが、男子用小便器に的当てのマークのシールが貼られていることがあります。
これは、オシッコを命中させると色が変わるので、よし、うまく当ててやろうという気になるものです。
尿の飛散でトイレが汚れることをふせぐために、「一歩前へ」などと張り紙する代わりにゲームの要素を取り入れ、楽しませながら目的を達成してもらおうというもの。簡単にいうと、こういったものがゲーミフィケーションの考え方というわけです。

もうひとつ。たとえば、オバマ大統領の選挙は、「ソーシャルメディアの勝利」「インターネットの力のすごさ」の語りぐさになっています。
たしかに、「オバマ物語」とでもいう情報を拡散するにあたり、ソーシャルメディアは力を発揮しました。
しかし、支持者に周囲へ競って電話勧誘をしてもらう仕掛け、周りに献金を呼びかける仕掛けは、ゲームとして綿密に作り込まれていました。これによって支持者が、「ゲームに勝つため」に自分事として行動し続けたことが大きいのです。
こんなふうに考えると、ソーシャルメディアの力で拡散した情報は、ゲームの力で人を動かし、アメリカ大統領を誕生させたとも言えるかもです。

ナイキの「ナイキプラス」は走ることをゲームにして継続力を持たせています。
スターバックスの「カルマ・カップ」は、マイカップを持っていけば10人に一人ごとに無料になるという仕組みで、紙コップの廃棄量を減らすことをゲームにしました。

うーむ、確かに、ゲームには人を動かし、それを継続させる力があります。

かつてのマーケティングは、(誤解を恐れずに言うと)広告によるイメージ戦略でした。
そして2000年代は、インターネットの勃興によって、話題の中心は「ソーシャル」になりました。
クチコミ、WOM、ソーシャルグラフ、こういったものを活用するために、いろんな概念が整理されていきました。Web2.0、ロングテール、フリーミアム、シェア、ソーシャルメディアマーケティング・・・。
もちろん、これらはネットでのつながりを加速させ、情報を拡散する上で、大きな役割を果たしています。

しかし、一度つながったユーザーを継続的にサービスのなかにとどめておく方法はまだ十分に解決されていませんでした。
それが2010年代に入り、ついに、ひとつの答えとして「ゲーム」という手法が出されたのです。

僕が提唱している「ロングエンゲージメント」の実現についても、この「ゲーミフィケーション」が、具体手法の一つとして機能するものと思っています。(だから追いかけているんですね)

上記の本では、「イメージ戦略」から「ソーシャル発想」へ。そして「ソーシャル発想」から「ゲーミフィケーション」へというように、世の中の必然的な傾向として説明されています。

いや、なかなか説得力ありますね。
世の中のすべてのサービスがソーシャル化していくと言われているように、世の中のすべての仕組みをゲーム化してくことが可能に思えます。

どんなことであっても、みんなが楽しみながら継続していく仕組みづくり。
なかなか、楽しい世の中になるかもですね。

長くなりました。今日はこのへんで(^^