ここ最近、なぜか朝早く起きるようになって、じっくり新聞を読んだりしています。
で、今朝も、大きな紙面をペラペラとめくって読んでいたのですが、ふと「こんなものが毎朝届くなんて、スゴイ・・・」と思ってしまいました。
たぶん、最近、iPhoneの画面に慣れてしまっていたことと、iPadやキンドルのことばかり考えていたから、紙の新聞というものを新鮮な目で観察してしまったんでしょう。
このネット社会に、これだけアナログ作業の積み重ねで、毎朝、僕の手元にまで情報を届けてくれるって、あり得ないことなのかも・・・と、思ってしまったのです。
で、「情報は集めるな」という指南役の著書にあった、
「新聞のない世界で、新聞という媒体を新規提案するとしたら」
という話を思い出しました。これ、おもしろいので、そのまま紹介します。
あなたが、新聞のない世界にいて、上司に「新聞」という、まったく新しい媒体を提案するところを想像してみてください。
「あのー、パソコンでニュースを読むのって、微妙に不便じゃないですか?スクロールしないといけないし、どこでも読めるってわけじゃないし・・・」
「で、何を提案したいんだ?」
「ニュースを紙にアウトプットした商品です。それもサイズはB全ポスターサイズ・・・いや広げたらB倍になるかな。これだけ大きいと記事を一度に読めます」
「ニュースはいくつ載せるんだ?」
「だいたい、500くらいですかね」
「500!? そんなに読めないだろ」
「いや、全部読む必要はありません。興味がある記事だけ拾い読みしてもらうんです。そのために、見出しにメリハリをつけます。大きな事件は大きく、小さな事件は小さく・・・」
「なるほど、結構な代物だが・・・それ、どうやって売るんだ? ネットなら自宅にいながら読めるから、わざわざ買いに行かなくてもいいが」
「宅配です。毎日、自宅まで届けるんです」
「なに?莫大なコストがかかるぞ。それと、最大の問題はタイムラグだ。ネットは最新のニュースを伝えてくれるぞ」
「こちらも遅くとも昨日起きたニュースを報じます。夕方でよければ、今日起きたニュースも伝えます」
「キミィ、素人じゃないんだ。印刷にどれだけ時間がかかるか知っているだろう。入稿、版下、校正、印刷・・・最低でも4、5日はかかるぞ」
「なんとかします」
「何を適当な・・・ それにこっちもコストが問題だ。 毎日発行して、宅配だあ? 1部、5千円はするだろう。1か月で15万も払う読者がいるのか?」
「いえ、1か月、3千円程度を考えています」
「出直してこい!!」
・・・・・と、あなたの提案は一蹴されるのではないでしょうか?
というものです。いかがでしょうか。
僕たちは、生まれたときから、新聞という情報伝達のしくみがあって、これが毎朝届くことが当たり前でした。
でも、冷静に考えると、これってありえないくらいスゴイ仕組みで、画期的な商品ですよね。
最近、議論される「ネットが新聞を駆逐したらジャーナリズムの存亡はどうなる」みたいな話とは別の次元として、その完璧に築き上げられたアナログの仕組みに、いたく感心してしまったのでした。
なんて考えていると、明日の朝また届くであろう新聞が待ち遠しくなってきました・・・。
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