サッカーに見る「ストーリー」の重要性

ロンドンオリンピックでの、日本サッカーチームの活躍が、すばらしいですね。
男子のエジプト戦、女子のブラジル戦、いずれも見事な勝利でしたが、これらを見ていると、勝負における戦略には「ストーリー」が大切なんだなあと、つくづく思います。
楠木健さんの著書「ストーリーとしての競争戦略」にも、サッカーを例えにしたビジネス戦略の話がよく出てきます。

ストーリーとは何でしょう?
相手チームに勝つために、どこのポジションにどういう選手を配置するかというのは、戦略を構成する「点」です。
しかし、そこに配置された選手たちが繰り出すパスがどのようにつながって、ゴールへと向かっていくのかは、点を結びつける「線」の話です。
このいくつもの線で構成された「流れ」や「動き」こそが、勝負を決めるための戦略として重要なもので、これをストーリーと呼んでいるわけです。

つまり、MFに清武選手、ディフェンスに吉田選手・・・などと、ポジションを決めるだけが戦略ではなく、「こうきたら、こうして、こうなって、ここでゴールへのチャンスができる」というような動き=ストーリーとしての戦略こそが大事ということです。
たとえば、イタリアチームの「カテラチオ(施錠)」と呼ばれる鉄壁の守備は、選手が入れ替わっても再現できる、チーム全体に関わる強みです。
各チーム、こういったストーリーがあるからこそ、まねのされにくい固有の戦略が保てるわけです。

$京井良彦の3分間ビジネス・スクール-戦略ストーリー

で、日頃、仕事をしていると、「戦略」という言葉はよく出てくるものの、こういった線が流れるような、動的なストーリーが欠落していることが多いのも確かです。
「ビジネスモデル」や「◯◯戦略」と称して、組織編成や、売上やコストの内訳やその推移などを数字で整理しているものなどを見ますが、それはストーリーではないので、戦略とは呼べないものです。

そして、このストーリーをチーム全員で共有することこそ、戦略を実行する上で必要なことです。
ストーリーが共有されていないと、瞬間瞬間の自分の行動がチームの勝利にどのように関わっているのかが分からず、試合や仕事にコミットできないからです。

サッカーと同様、ビジネスも総力戦。
みんなが「それでいこう!」と思えるような面白いストーリーがあって、全員が自分の問題とすることで、一人一人が根拠を持って日々の仕事に取り組めるわけですね。

なんか、エラそうな話になりましたが、最近は案件に取り組む際、チームでこういったストーリー戦略を共有して仕事を進めることを大事にしようと思っているという話。

サッカー観戦から、そんなことを学びながらも、男女メダル獲得を期待して応援を続けます。
もちろん、寝不足です(笑
では、今日は、このへんで(^^