日々の仕事の繰り返しのなかで何を大切にするか?

少し前の本ですが「人が輝くサービス~スターバックスと僕の成長物語」を読みました。
筆者の黒岩さんは、アメリカの大学卒業後、日本に上陸したばかりのスターバックス1号店にアルバイトとして入社。その後、40歳で退職するまで、店長、エリアマネージャー、構造改革リーダーを歴任し、スターバックスジャパンを支えてきた方です。
今、取りかかっている原稿で、スターバックスのことを調べまくっていて、その参考文献として読んだのですが、スターバックスのことというよりは、僕自身の仕事に取り組む姿勢についての気づきをいただき、初心を取り戻すことになりました。

$京井良彦の3分間ビジネス・スクール-starbucks

カフェチェーン業態とは、つまり飲食店。来る日も来る日も、同じ仕事の繰り返しです。
そんな日々で彼が大切にし、誇りにしていたのは「価値(バリュー)をつくる」ことだったと言います。
「スターバックスでは、1杯のコーヒーに価値(バリュー)を乗せて、お客様からその対価を頂いている。そのバリューを、「笑顔」や「スピード」や「丁寧さ」、「美味しさ」、「キレイさ」などで追求していくのが僕らの仕事だった」と述べられています。
そして、それを含めてお客様が300円のコーヒーを「安い」と思ってくれるかが何よりも重要だったと言います。

店をピカピカにする。ハンドメイドの温かさを追求する。
こういった積み重ねがお客様のバリューにつながると信じていて、どんなことをすればバリューを感じてもらえ喜んでくれるかという探究心を常に持ち続けていたと言います。
これは、正解のない取り組みですが、「常に自分の頭と気持ちで考えて、自分にできることを提供し続けたことが誇りだ」と述べられています。

僕は、この考えに、かなり共感します。
というのは、僕が働いている広告会社も、サービス業だからです。
クライアントとマスメディアや広告制作の会社の間に入って、両者が直接やりとりするのでは得られないバリューを提供することに存在意義があるわけです。
「自分が間に入ることで、直接やりとりすること以上のバリューを生む」
これが、僕自身の働くモチベーションであり、誇りなのです。

スターバックスのCEOハワード・シュルツ氏の有名な言葉に、「スターバックスはコーヒー豆を売るのではなく、コーヒー豆を通じて夢を売っている」というものがあります。
つまり、生み出すバリューとは、お客様の「夢」につながるものであるべきなんですね。

桜も散り始め、新しい期も本格的に始動する中で、ふと自分が担うビジネスの原点を確認させられたのでした。
いつも春にはいい気づきがありますね。今日は、このへんで(^^