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「学問のすすめ」にある人望論とブランドの関係

今日、ちょっと調べることがあって、福沢諭吉の「学問のすすめ」を読んでいたら面白い話がありました。

この本の最後のパートなのですが、「人望論」というのがあります。

ちょっと紹介しますと

「また三井・大丸の品は正札(しょうふだ)にて大丈夫なりとて品柄をも改めずしてこれを買い、馬琴の作なれば必ずおもしろしとて、表題ばかりを聞きて注文する者多し。ゆえに三井・大丸の店はますます繁盛し、馬琴の著書はますます流行して、商売にも著述にもはなはだ都合よきことあり。人望を得るの大切なることもって知るべし。」

という具合なのです。

三井・大丸とは、ご存じの百貨店です。

正札とは、看板の信用力、つまり今でいう「ブランド」ということでしょう。

ブランドがあれば、それだけで中身も確かめずに、どんどん買ってしまう。

百貨店はますます繁盛し、ブランド力があがるというのです。

ここでは、滝沢馬琴(曲亭馬琴)の本がブランドの代表のようにあげられています。

現代でも、例えば村上春樹の「1Q84」だって、タイトルだけでは、なんのこっちゃ訳がわからないはずですが、それでも予約だけでベストセラーになるという現象が起きています。

これも、村上春樹ブランドの力以外の何物でもないといういい例でしょう。

そして、もっとも面白いのは、そのブランドを「人望」と読み替えていることです。

ブランドの育成は人格を形成して人望を得ることと同じなのですね。

マスメディア主流のいわゆる空中戦時代には、このあたりが少しおろそかになってたのではないでしょうか。

しかし、ソーシャルメディアの普及で企業も生活者も対等につながった現在において、この言葉はまさに広告コミュニケーションの「原点回帰」を促すものだと思ったのです。

やっぱり、「人望を得る」というような、日常的で地道な絆づくりこそが、企業や商品のブランドを作っていくものなのですね。

ちなみに、慶応塾高に通うわが息子に、「『学問のすすめ』の文庫本を貸してくれ」と頼んだら、「夏目漱石には興味ないから持ってない」と言われてしまいました。

大丈夫だろうか。。。(笑

京井良彦の「3分間ビジネス・スクール」-yukichi