いま仕事で、あるモノの「成分ブランディング」のプランを開発中。
すでに、よくある手法とは言えますが、その威力はいまだ色褪せません。
この手法は、20年近くまえ、インテルの「インテル入ってる」キャンペーンで、一躍脚光を浴びました。
マイクロプロセッサのメーカーであるインテルは、B to Bのビジネスモデルであるにも関わらす、B to Cへのブランディング戦略に乗り出します。
「インテル・インサイド・マーケティング・プログラム」と銘打たれたこのキャンペーンは、パソコンメーカーとの協力のもとで行われました。
これは、パソコンメーカーのCMにインテルのロゴを露出する代わりに広告費用の一部を負担するというもの。
この結果、生活者にもインテルブランドが浸透し、生活者にとって、インテルのチップが使われているかどうかが、パソコン選択の要件として定着することなったのです。
古くは「ウールマーク」などで使用されていたこの手法は、このあたりから「成分ブランディング」と呼ばれるようになりました。
そして、世界的に大成功をおさめたこのキャンペーンは、ビジネススクールのケーススタディとしても紹介されるようになります。
ところで、米国ならびに世界各国における、この「intel inside」というキャッチコピー、「インテル入ってる」とは、名訳だと思いませんか?
いえいえ、これはインテル日本法人が始めた、「日本発」のキャンペーンなんです。
つまり、「intel inside」が、「インテル入ってる」の英訳なんです。※
最近、日本人留学生が、ビジネススクールでこの事実を知って驚くということがあるようです。
日本人のマーケティング・センスも、まだまだ捨てたもんではありません。
こういう成功事例には、本当に勇気を与えられますよね。
ちなみに僕も、授業ではなかったものの、留学中にこのケースを知りました・・・失礼!
※正確には、日本での「インテル入ってる」キャンペーンロゴが「intel in it」だったものを、和製英語っぽいし、卑猥な意味にとられることもあり、本国で「intel inside」に直してから、グローバルキャンペーンにしたというものです。