【ご報告】電通を退社します。

こんにちは、キョウイです。
このたび、2020年12月末で、20年間勤めた広告会社「電通」を退社することにしました。
50歳での独立を目指していましたが、ギリギリ51歳を迎えての退社になります。

今回の記事は、個人的なご報告になりますが、それでもご興味のある方は、読んでいただけたらうれしいです。

極めて個人的な話なので。

電通での20年をどう過ごしたか?

2001年、僕は新卒で入行した銀行から電通に転職しました。
31歳から51歳というビジネスマンとしてもっともイキが良くて多感な時期を、この会社で過ごしたことになります。

最初の10年はクライアント担当として、いわゆるバブル時代の広告代理店のイメージそのままの仕事をしてきました。
クライアントと関係をつくって、社内外のクリエイターとプロジェクトを進め、タレント事務所と交渉し、制作現場と放送局を走り回り、夜は会食続きでタクシー帰宅という。
ほんと、ホイチョイの「きまぐれコンセプト」を地でいく感じでした。

転機になったのは、40歳で始めたこのブログとツイッターでの情報発信でした。
SNSが普及しはじめて、人々の行動も変わっていく中で、普段の仕事に疑問を持ち始めた頃です。
「広告やマーケティングも、新しい考え方にアップデートしなきゃならないんじゃないか」と思って、そんな想いをポツポツとつぶやいていました。

そんな個人の妄想に、たくさんの人に共感していただき、本の出版につながり、たくさんの問い合わせをいただくようになって、結果として社内のソリューション部門に異動になりました。
今の僕の仕事観は、ここから先の10年で形成されていくことになります。

● マーケティングとは数字を追うものではなく、その先にいるひとりひとりの人間に向き合うこと。
● コミュニケーションは単発で目立つことが狙いではなく、エンゲージメントを構築することこそが大事。
● クリエイティビティは「広告だけ」に使うものでなく、もっと広く企業活動全体や社会全体へその価値を提供するべき。

ま、今から考えるとあたりまえかもしれませんが、当時の業界では、そんなにあたりまえではなかったですね。

また、この40歳のタイミングで、それまでサラリーマンとして凝り固まっていた習慣も変えていきました。

● スーツとネクタイをやめて、Tシャツとジーンズで仕事をするようになりました。僕の価値はそこじゃないと主張するためです。

● 社内だけでなく、社外での活動を重視するようになりました。SNSでの情報発信、本の出版、海外へも自腹で取材、講演や大学講師の引き受けなどですね。

● 仕事をすべてフィーで受けることにしました。この業界の慣習では、媒体コミッションを含めたトータル利益をとらえていましたが、僕のいたチームはそれらと切り離し、プロジェクトごとに個人フィーの積み上げで報酬を決めることにしました。

ほかにもたくさんのチャレンジはありましたが、とにかく意識的に現状を変えようと思って仕事を進めてきました。
結果的に、それが今回の会社組織からの独立をスムーズにしたかなと思います。

なぜ、サラリーマンをやめるのか?

30代の頃は、がむしゃらに目の前の仕事をこなし、家族を養うことで精一杯でした。
しかし40歳を過ぎると、そろそろ自分のライフプランに向き合う必要が出てきます。

リンダ・グラットン教授が著書の「LIFE SHIFT」で「人生100年時代」という概念を提唱したのが2016年。僕が46歳の時です。
この本で気づきを与えられて、60歳定年後の過ごし方をさらにリアルに考えるようになりました。
60歳以降、40年もブラブラするのは退屈すぎますからね。

つまりサラリーマンであれば、誰もがどこかのタイミングで、60歳以降の活動にシフトしなきゃいけないわけです。
それを会社の制度任せにするか?
いや、そこは自分で決めたいですね。

僕は、自分の能力や体力、気力を考えて、これ以上、年をとってからよりも、自分が高く売れる今のうちにシフトした方がリスクが少ないと考えました。

50歳というのは、サラリーマンが仕事人として、経験、知識、人脈がピークに達する時期です。
これまでスキーのハイジャンプのようにものすごい勢いで助走をしてきて、まさに「ここで飛ばなきゃいつ飛ぶんだ?」というわけです。

さて、人生100年時代とは、何を意味するのでしょう?
これまでの昭和・平成型の人生モデルは3ステージが主でした。

● これまで
・0ー25歳:学ぶ
・25ー60歳:働く
・60ー75歳:休む

それが人生100年時代となると、人生のステージを四季のように4つに分けられるようになります。

● これから
春:0ー25歳:学ぶ
夏:25ー50歳:働く
秋:50ー75歳:やりたいことをやる
冬:75ー100歳:休む

そう、この「50−75歳」という「充実期」の誕生こそが、人生100年時代という概念の真価なのです。

ここを「実りの秋」にできるかどうかが、死ぬ時になって「人生を自分らしく生きたかどうか」という満足度につながってくると思うわけです。

僕はこの時期までも、会社に面倒を見てもらうのは嫌だった。
むしろここで自立して、電通時代に培った経験・知識・人脈を生かして、社会に恩返ししたい。
自分の力で社会に貢献できることを、この充実期に全部やりきりたいと思ったわけです。

独立起業とこれからのこと

先日12月1日付けで、法人設立登記をしました。
「株式会社1/1」という会社です。
「イチブンノイチ」と読みます。等身大という意味です。

何かを一発当てて上場でも狙おうというような起業ではありません。恐れ多い。
今の等身大の自分として、社会に貢献できることを全部やりきり、人生を充実させるための活動です。

● 法人向けには、今の延長として、経営とブランドのクリエイティブコンサルティングを続けます。

● 個人向けには、「Lab.1/1(ラボイチブンノイチ)」という、好きなことで自由に生きていくことを追求する自己啓発のラボを運営し、ブログや本の出版や音声メディアでの情報発信をしていきます。

● そのほか、大学講師などの教育活動、犬猫保護活動や環境活動など、お金と関係ないこともどんどんやっていきます。

活動の中心は東京ですが、年間の数ヶ月は、海外リゾートを移動しながら過ごす予定です。

なんだか忙しく仕事をしていくように聞こえますが、そうではありません。
逆にいうと、やりたくないことはやりません。

そういう意味では、セミリタイアにも近いかもしれません。
新しい生き方を、自分で実証実験していく感じですかね。

ということで、今回は僕の個人的な活動報告になりました。

今後このブログでは、ビジネススキルのほかにも、個人での稼ぎ方、フリーランス、ひとり起業、セミリタイア、海外移住などの有益情報を発信していきたいと思います。

これからも、どうぞよろしくお願い致します!

それでは、今回はこのへんで^^