広告の効果に「リーチ」という考え方があります。
テレビの視聴率やラジオの聴取率、新聞の販売部数や雑誌の発行部数、ネット上ではインプレッションという基準が採用されていて、ターゲットへの到達指標としているのです。
でも、世の中こんなにたくさんの情報が洪水のごとく溢れていて、人はいちいち広告を覚えているのでしょうか?
いくら広告がターゲットにリーチしても、スルーされているのなら効果はないですよね。
数字上は「到達」していても、「認知」されているかどうかは怪しいということになってきます。
例えばこんなシーンを想像してみましょう。
あなたはきらきらと光るピンボールマシンを操作している。
フリッパーをはじくとボールはボード上をくるくると忙しく回りはじめる。
ボールはヒットターゲットにカンカン音を立ててヒットし高得点をはじきだす。
跳ね返ってはまたヒットを繰り返し、ようやく長いゲーム時間を終えてフリッパーに戻ってきた。
あなたはボールに質問をしてみる。
「やあ、たくさんヒットしたね。
いろんな情報があったはずだけど、どうだい?」
「うん。それがたくさん当たりすぎて何も覚えてないんだ。」
あなたは、広告会社のプランナー。
ボールはターゲットである生活者ですね。
こんな情報過多の中で、生活者は何を情報として受け止めてくれるのでしょうか?
これを解明しない限り、いつまでたっても広告は無視され続けますよね。
僕は、解決法は「アテンション獲り」や「ノイズの増量」ではないと思っています。
それでは、結局スルーされるだけですよね。
ピンボールのスコアを上げるような単発の打ち上げ花火ではなく、もっともっと長期的な付き合いを前提とした、生活者とのコミュニケーションが必要だと思うのです。
これ、話し出すと長くなるので、詳しくはまた次回に。。。