先日、うちの会社の新入社員数名と飲みました。
僕は、そこで、「じゃあ、一人ずつ30秒で自己紹介して。タイム計るからね。」
といって、ストップウォッチで時間を図って、自己紹介してもらいました。
みんな、「なんなんだ、この先輩は・・・」と思ったろうから、ちゃんと理由を説明しました。
と、そのまえに、「エレベーター・トーク」という言葉をご存知ですか?
シリコンバレーの若手起業家が、相手とエレベーターに偶然乗り合わせたふりをして、エレベーターが目的階に到着するまでの間に、ショート・プレゼンテーションをして採用されたという、サクセスストーリーからできたビジネス用語です。
メラニー・グリフィスと、ハリソン・フォードが出演している映画、「ワーキング・ガール」にも有名なエレベーター・トークのシーンがありますよね。
窮地にたたされたメラニー・グリフィス演じる主人公が、社長と同じエレベーターに乗り込み、自分の濡れ衣を解くプレゼンをするというもので、これは痛快です。
話を戻しますが、広告の世界では、このエレベーター・トークは、もうひとつ重要な意味をもってくると思うのです。
それは、広告というもの自体が、ショート・プレゼンテーションそのものだからです。
広告主からすれば、手塩にかけた自社の商品について、山ほど説明したいことがあるでしょう。
しかし、消費者側が、その想いを聞きたいかどうかは、別。
広告主が、年月をかけて改良した性能をアピールしたくても、消費者側が聞きたいことは、価格が安くなったかどうかだけかもしれません。
広告は、限られたスペースと時間で、消費者が聞きたい点を、魅力的に伝えるという作業です。
テレビCMなら、わずか15秒か30秒かの世界です。
自己紹介も同じ。
20年生きてきたことを、はじめから全部話すと20年かかってしまいますよね。
これを、相手(つまり僕)が聞きたいと思うことを想定して、30秒以内で魅力的に表現してみて、と新入社員に迫ってみたというわけです。
これは、つまり「自分の広告を創る」という作業を体験することになるわけです。
後輩たちが、これから広告の世界でやっていくということで、いい意識づけになればと思っての先輩愛。(えっ、ありがた迷惑?)
ということで、決して、いじわるな先輩ではないので、誤解のないようにお願いしますね(笑)