「Do the right thing!」正しいことをしよう!

先週は、複雑な案件、トラブル、コンペプレゼンなどなど、多忙で目が回ってしまいました。
どう判断しようかと、いろいろと悩まされる中、ふと、最近よく「Do the right thing.」という言葉を聞くようになったなあと思い、今日はその話を。

僕の世代なんかからすると、1989年にスパイク・リーが主演監督した同名映画を思い出しますが、最近はビジネスのワードとして語られ、ソーシャルメディア関連のセミナーや、斉藤徹さんの著書なんかでも取り上げられています。

$京井良彦の3分間ビジネス・スクール-dotherightthing

「人として正しいことをしよう。理屈や損得ではなく、まっとうなことをしよう」という意味で、人間として、企業人として正しいことを基準に判断し、行動するということです。

これは、ソーシャルメディアに限った話ではないですよね。
インターネットやホームページでのコミュニケーションに限らず、広告、販促物、店頭装飾、販売店員、そもそもの品質、ロイヤルティプログラム、カスタマーサービスなどなど、すべての顧客接点において、そうなっているべきです。

商売は、もうだいぶ前から、「モノ」から「コト」へと叫ばれています。
商品のコモディティ化がすすみ、モノだけではなく、サービスの付加価値が重要になってきました。
商品を顧客に合わせて個別にカスタマイズするのはものすごく困難ですが、サービスであれば顧客ごとに最適にカスタマイズしていくことが可能です。

ただ、その方法論は、なにかウルトラC的なものがあるわけではなく、顧客一人一人の事情に合わせて人間的な対応をしていくという地道なものです。
そうなると、おのずと顧客接点である現場の社員の重要性が増していくわけです。
これは、現場の社員、つまり僕たちの「Do the right thing.」な行動が、企業の商売、しいてはブランドを支えることになってきたということ。

今年の1月に話題になった、コンビニチェーン「ポプラ」社員の話をご存知でしょうか?

覚えている方もいると思いますが、鳥取と島根の県境の国道が、大雪で大渋滞しました。
そんな中、多くの車が立ち往生し、車内泊がやむなくなってしまった人たちに、700個のおにぎりを2時間かけて配った配送ドライバーがいました。
それが、コンビニチェーン「ポプラ」の社員でした。

この渋滞で、商品を賞味期限までに店舗に届けられないと判断した社員が、困っている人たちに無料でおにぎりを配って回ったのです。
これは、ポプラ本社からの指示ではなく、ドライバーの独自判断で行ったものです。
しかし、一夜にしてポプラのブランド価値を向上させることになりました。

「Do the right thing.」
僕たち企業人、一人一人の顧客接点における正しい行動が、結局は自社のブランドを高めます。
企業と顧客の関係は、ますます人間的であたたかい絆によって結ばれるものになっていきます。

ほんと素直に、いい時代になってきたと思います。

つらくても、いそがしくても、それが人として正しいことであって、世の中を良くしていくのであれば、僕たちだって、もっともっとがんばれますよね。
そして、企業側にも、社員一人一人を信頼し、権限を委譲していく環境づくりが望まれると考えています。

ということで、僕もまだまだがんばらなければならず。
今日は、このへんで!(^^