サッカー本田圭佑の言葉から考える「個」とは

2013年のサッカーワールドカップ・ブラジル大会の予選。
日本代表の決勝行きを決めたのは本田圭佑選手のシュートでした。
世間は祝福ムードでしたが、翌日の記者会見での本田選手の発言で空気が変わりました。

チームよりも「個」を高める

シンプルにいえば『個』だと思います

と切り出し、チームメイトひとりひとりのプレーにダメ出しとも言えるコメント並べたあと、

チームワークなんていうのは日本人である以上誰もが持っているもの(中略)必要なのはどうやって自立した選手になって、『個』を高められるかだ

と発言しました。

この発言で、会場の雰囲気が一変、静まり返ってしまいました。
何もあの場でそんな言い方をしなくても・・・と思いつつも、いやしかし、これはビジネスにおいても含蓄ある言葉だとも思いました。

日本人はチーム作業に優れているか?

日本のビジネスにおいても、その強みは、「日本人はチーム作業に優れていること」と言われてきました。
でも、その意味するところは、言葉を選ばずにいえば、軍隊のような集団作業のことを指しているんだと思います。
つまり、全体像が見えているルーティンワークを、みんなで分担して、作業を効率化しようというものです。

経済が右肩上がりの成長期であれば、これは非常に有効な戦略だったでしょう。
でも、時代は変わりました。
市場が成熟し、成長に求められるのは「ルーティン作業の効率化」ではなく、「イノベーションの創出」になったわけです。

こうなると、これまでのようなチーム効率作業ではなく、「個の力」が重要になってきます。
イノベーションは、結局、誰か個のひらめきから生まれてくるわけですね。

ま、そこに、方法論があるわけではないでしょう。
高い能力をもった個同士が集まり、刺激し合う環境を演出する中で、なんらかのセレンディピティで、誰かから思わぬイノベーションが生まれるわけです。
まずは個があって、その個を引き出すためのチームであって、チームを優先するのために個を捧げる時代ではなくなったということです。

ビートルズも「個」の集団だった

古い例ですが、ビートルズというチームはそうでしたよね。
ジョンレノンとポールマッカートニーという二人の天才はもちろん、ジョージハリソン、リンゴスターもすばらしい能力をもった個でした。
4人ともが、ビートルズというチームの絶対要素であって、代替はあり得ません。
こういった、ビートルズ型チームの活動こそが、イノベーションを生み出す、つまり「新しいモデルの創造」を実現できるものになるわけです。
クリエイティブなアウトプットは、そんな高い個があった上で、その時々の環境で、誰かが起点となって生み出されるんですね。

まずは「個」があって、それを引き出すための「チーム」の時代。
ビジネスでも、順番を間違えないようにしたいものですね。