カンヌライオンズ2012 レポート②

早いものでカンヌも前半が終わりました。
セミナーでは、SEX & THE CITYのマイケル・パトリックキング監督や、K-POPの4人組、2NE1(トウェニワンといいます)、ロンドン五輪プールの女性建築家、ザハ・ハビッド、ストリートアーティストのJR、モスクワ五輪金メダリストのコマネチ、TEDスピーカーなどなど、多様な分野から、その独自性で活躍する人たちをパネラーに招くというものが目立ちます。

これは、ソリューションアイデアとしての本質的なクリエイティビティを、広告関係以外から学ぼうという意欲が、表れているものだと思います。

あとは、引き続きビッグデータとテクノロジー関連。
テクノロジーの発展によって、これまでは不可能だったカタチでのソリューションが実現するようになっています。

たとえば、ナイキのセミナーで紹介されていた”Nike+ FUELBAND”というブレスレットタイプの測定システム。
これまでのNike+がジョギング用だったのに対し、跳んだりはねたり、人間の全ての動きを計測できるように進化したものです。
これによって、スポーツを愛する全ての人を応援するというナイキの企業哲学にさらに近づいたわけです。
これは、サイバー部門のグランプリを受賞しました。
ちなみに、日本では秋に発売が予定されているようです。

さて、前半の受賞関係は、
2日目夜:プロモ&アクティベーション部門、ダイレクト部門、PR部門
3日目夜:アウトドア部門、モバイル部門、メディア部門、クリエイティブ・エフェクティブネス部門
4日目夜:デザイン部門、サイバー部門、プレス部門、ラジオ部門
が発表されました。

オフィシャル・ウェブサイトに随時アップされますので、詳しくはそちらを見ていただければと思いますが、今日は、グランプリ受賞の中から、「つなげる広告」推進者として(笑)気になった3つの施策を紹介します。

ひとつは、今年新設されたモバイル部門のグランプリ。
Googleのコカコーラとのコラボ施策「Hilltop Re-imagined for Coca-Cola」です。

1971年のコカコーラCM「I’d like to buy the world a Coke.」(世界中の人にコークをおごってあげたい)は、当時はまだ深刻だった人種問題の、垣根を超えるメッセージを唄った有名なものです。
今回は、これをGoogleがテクノロジーの力で実現したというもの。

モバイルアプリを通じて、世界中におかれた特別な自動販売機のコーラを支払えます。
通りかかった人からは、コーラがストックされているのがわかり、それをもらうと写真が撮られ、その笑顔がアプリに帰ってくるというもの。

1971年当時の「唄う」というコミュニケーション手法が、テクノロジーによって実際に「つなげる」という関係構築の手法に進化したわけです。
新しい広告の役割とGoogleという存在の価値を示す、すばらしい施策だと思います。

もうひとつは、2つあるサイバーグランプリの、もうひとつのグランプリ。
スウェーデン政府観光局の「Curators of Sweden」(スウェーデンのキュレーター)です。
これはスウェーデン政府の公式ツイッターアカウントを、国民に託し、リレーしてスウェーデン観光のいいところを紹介していくというものです。
スウェーデンという「国」は、国民ひとりひとりから成立しているということを再認識させますし、そこから共感というものが生まれてくるのだと思います。

そして、実際に政府が国民にアカウントを渡すというのは、なかなかの英断だと思います。
昨年のサイバー部門は、高度な技術競争みたいになりかかっていましたが、今年はこういったシンプルなアイデアが評価されています。
技術ではなくアイデアこそがクリエイティビティということを強調しているのかもしれませんね。

最後は、アウトドア部門のグランプリ。
中国で展開されたコカコーラのポスターです。
もうこれは見ての通り。
施策自体はつなげるものではありませんが、「つなげるブランド」だということを、ものすごくシンプルに表現しています。

c46e4ddf.jpg

あとこれは、「つなげる広告」ではありませんが、おまけをひとつ。
ラジオ部門のグランプリ、ブラジルの「Go Outside」というアウトドア雑誌のラジオCMが面白いです。
アウトサイドに行く際に気になる蚊を除けるため、蚊の嫌がる周波をラジオで発信したというもの。
こんなダイレクトな実効果が求められているんですね(笑。

ということで、今日はこのへんで。