映画「ミッション・インポッシブル」に学ぶオープンリーダーシップ

昨日、映画「ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル」を観ました。
今回も、トム・クルーズ演じるIMF諜報員不動のリーダー、イーサン・ハントが率いるチームの活躍で、世界は核の危機から救われました。(^^;

今回は、これまでの3作以上にチームワークが際立っていたように思います。
そして、ビジネスとして学ぶべきは、イーサン・ハントのチーム運営。

ただ、ビジネスでは、その前段階のチーム編成こそが重要なのですが、このストーリーではいつも、IMF側であらかじめメンバーが決められてしまっています。

今回は、イーサンをリーダーに、カーターという格闘系の女性諜報員、ベンジーというコンピューター担当、途中から加わったブラントとという分析官(実は元諜報員)という4名。ルパン三世をも彷彿させる絶妙の編成です。

これは、僕がよくいう代替の効かないメンバーによる編成で、「ビートルズ型チーム」の典型なのですが、ここではIMF側の編成力がすごいとしか言えないので、「チーム編成」についてはまた別の機会にして、今回はイーサンの「チーム運営」について考えてみましょう。

結論から言うと、この映画から、今注目されている「オープン・リーダーシップ」を学べると思うのです。

今回の映画の副題「ゴースト・プロトコル」とは、IMF本部が、危険にさらされたチームを切り捨てる最終発令のこと。

イーサンのチームは本部から見捨てられ、一切の支援を打ち切られたにもかかわらず、自らのモチベーションで、核の危機から世界を救うことに奔走します。

そのイーサンがチームを導く行動には、まさにオープンリーダーシップの極意が詰まっているのです。

オープンリーダーシップというものが注目を集めるようになったのは、ソーシャルメディアの普及が関係しています。

ソーシャルメディアの普及で、リーダーも社員や顧客と日常的につながって、親密なつながりを築けるようになりました。

そこで必要なのは、従来のような「統制型」の関係ではなくて、「信頼」を基盤とした人間的な関係性になってきたわけです。

では、シャーリーン・リーの著書「フェイスブック時代のオープン企業戦略」から、オープンリーダーシップの5つの原則を抜き出してみましょう。

1.顧客や社員のパワーを信頼する
リーダーは、ソーシャルメディアによって力をもった顧客や社員の影響力と発言力を受け止めて、彼らとは対等関係であることに気づく必要があります。
イーサンはチーム員3名の力を認め、それぞれに「自分にできないこと」を任せています。
彼らの役割を尊重し、逆に危険な役割(地上100階以上にあるサーバールームへ窓を破って潜入するなどw)は、彼らにできないこととして、自らが引き受けているのです。

2.絶えず情報を共有して信頼関係を築く
イーサンは、本部からゴースト・プロトコルが発令された後、すぐにチームと情報を共有しました。
そして、本部から認められない任務を続けるかどうかを、それぞれの判断に任せました。
3名は自らの意思でイーサンとの任務を続けることを選び、信頼関係が生まれたのです。

3.好奇心を持ち、謙虚になる
ゴースト・プロトコルの発令以降、イーサンたちのミッションは、「IMFに指示された情報を集めること」から、「ロシア側の核ミサイル発射を止めることそのもの」に変わりました。
つまり、自らミッションを設定したということです。
以降、チームメンバーは、情報を単なる一方的なニュースと見るのではなく、情報に好奇心を持ち、反応し、自ら交流していくという行動に変わっていくところが見ものです。

4.オープンであることに責任を持たせる
イーサンは、ゴースト・プロトコル発令以降、その状況とともにリーダーとして自分が期待していることを明示し、しかし以降は本部からの支援が受けられないことを全てオープンに説明します。
チームメンバーは状況を理解した上で自らの意思でリーダーと協業することを選び、イーサンは彼らそれぞれの判断・行動に責任を預けました。

5.失敗を許す
責任を持たせる以上、リーダーは寛容でなくてはなりません。
女性諜報員のカーターは、重要情報をもった人物を、自分の恋人が殺されたという個人的な感情から殺してしまいます。
チームメンバーから非難を受けるカーターですが、リーダーのイーサンは、これを許します。
失敗の経験と健全な反省が人を成長させることを理解してのことでしょう。

と、まあ、このようなオープンリーダーシップに基づくチームワークが、既に発射された核ミサイルを止めるという、まさにインポッシブルなミッションをクリアするに至ったという話なのです。
イーサンをリーダーとするたった4名のチームが、世界を滅亡から救うほどのパワーを発揮するのですから、本当に痛快です。

ちなみに、IMFとイーサンチームとの関係は、いまいちこのオープンリーダーシップが発揮されていません。
オープンであることに責任は持たせているものの、IMFは一方的なミッションの指示だけで、全体の情報を共有しようとしないし、何よりも失敗を許さないのですから(笑。

ところで、このようなオープンリーダーシップは、小さなチームだから機能するものなのでしょうか?
いえいえ、セクショナリズムが深く根付いた大企業でも導入が可能と言われています。
日産自動車を劇的なV字回復に導いたカルロス・ゴーン氏の行動は典型的な例です。
ここも深く掘っていきたいのですが、長くなってきましたので、また別の機会に。
今日は、このへんにしておきますね。

しかし、こんなふうに映画を観るのは間違ってるんでしょうかねえ。
僕としては、こういうの、めちゃくちゃ楽しいんですけど。(^^;