ソーシャルメディアの効果測定を考えよう

最近、仕事でも、受け持つセミナーや講演でも、ソーシャルメディア活用における、より具体的な指南を求められることが多くなりました。

たとえば、「ソーシャルメディア活用の効果測定」についてとか。
企業が、ソーシャルメディアブームに乗り遅れまいと、とにかく急いで導入したはいいけど、「結局、効果でてるの?」「どれだけ売りにつながった?」という上層部の疑問に担当の方が答えきれず、予算削減対象になってしまうなんてことも。。。

来月も、このソーシャルメディアマーケティングの効果測定について話をする予定があって、このあたりをまとめているのですが、池田紀行さんの「ソーシャルメディアマーケター美咲」に、いい事例がたくさん出ていて参考になります。

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とにかく、従来型の広告、PR、プロモーションにいきづまりを感じていたところに、救世主のように、はたまた魔法使いのようにソーシャルメディアが登場し、飛びついたという場合、この効果についての検討はややこしいことになってきます。

その問題点は、大きくは以下3つでしょう。

①目的があいまいなまま見切り発車した。
「手段の目的化」ということがよく言われます。
何を目的にするかを明確にしないままソーシャルメディアマーケティングに踏み切ってしまい、ソーシャルメディアを導入すること自体が目的になってしまっているのです。
ROIのRが何か分からないまま運営しているため、Rの測り方がわからないという状況。

本来はもっとシンプルなはずです。
たとえば目的が、「既存顧客の満足度向上によるリピート購入意向の向上」だったとするならば、運営しているフェイスブック施策などによって「リピート購入意向の変化」をR(リターン)として測定すればいいはずなのです。
ソーシャルメディアマーケティングの目的が社内で明確になっていない。そんな大前提の問題が、実は結構あるんですよね。

②KPI(Key Performance Indicator=パフォーマンス指標)の測定に目がいきすぎて、KGI(Key Goal Indicator=経営ゴール指標)の測定が抜けている。
KPIを効果指標にする企業は多いです。
この場合KPIは、
・リーチ指標(PV、UU数など)
・エンゲージメント指数(フォロワー数、ファン数、コメント数、いいね数、RT数など)
・話題指標(ブログ、ツイッター、掲示板、フェイスブック他における対象ワードのカキコミ数など)
ですが、これらはウェブのログ解析で測れます。

で、KGIの測定が抜け落ちるのは、このログ解析では測れないからなのです。
KGIは、
・ブランド好意度、信頼度、愛着度の向上
・新規購入意向の向上
・リピート購入意向の向上
・友人・知人へのお薦め意向の向上
などなど、これらは別途調査が必要なものなのです。

そして大きなポイントは、これらは公式になっているということ。
たとえば調査によって「生活者とエンゲージメントすればブランド好意度、購入意向の向上する」という結果が出れば、エンゲージメントがKGIに寄与するということだから、あとは「リーチを増やせばいい」ということになりますよね。

③「マーケティングゴール」と「コミュニケーションゴール」が混同している。
マーケティングのゴールは、売上や利益の向上という「経営指標」に直結してますよね。
でも、お分かりだと思いますが、広告やソーシャルメディアマーケティングだけで商品が売れるわけではない、つまり売上・利益につながるわけではありません。

生活者がいろんな情報を選択できるようになった今の時代、広告やソーシャルメディアだけで解決できる領域って、意外と狭いかもしれないのです。

「売り」の要因をざっとあげてみるだけで、
・商品力(スペック)、商品コンセプト(ネーミングや背景)
・チャネルカバレッジ、インストアシェア、棚位置、フェイス数
・店頭価格
・広告、プロモーション
・競合との居総力
・景気、経済動向
・天候、環境
などなど。
自社でコントロールできること、マーケティングでコントロールできること、広告がコントロールできること、ソーシャルメディア(はコントロールできないの)で担えること、などとブレイクダウンしていくとよく分かりますよね。

①の目的の設定で、「売上向上」というような経営指標をの達成を求めても無理だということです。
コミュニケーション、ソーシャルメディアだけで売上を上げることはできません。
「コミュニケーション施策によって売上に影響を与える可変可能な指標」を目標として設定する必要があるわけです。

まあ、こんなことばかり言っていると、ソーシャルメディア活用に対する夢もしぼんでくるように思われるかもですが、いやいや、そんなことはありませんよ。

たしかに、冒頭述べたように、ソーシャルメディアを魔法のように捉えてしまうと、それは違います。でも、そこには「人と人とのつながり」による「人間ならではのやりとり」、という単純計算では計り知れない可能性が秘められているのは確かなのです。

人と人、そして企業。みんながハッピーになる関係性が、きっとあると思います。
ソーシャルメディアが浸透しつつある今、そんな理想の関係構築を実現できる可能性が、そこまで来ている。
そんなふうに思うんですよね。