「就職大競争時代」のOB訪問

OB訪問など、就職の相談をたくさん受ける時期になりました。

相変わらず、学生さんにとっては厳しい環境のようですね。

しかし、野口悠紀雄先生の新著『実力大競争時代の超勉強法』によると、「就職環境が厳しいのは不況のせいではなく、就職戦線に「大地殻変動」が起きているから。「氷河期」という表現は正しくない」とのこと。

要は、日本企業が、本気でグローバル化に乗り出し、外国人採用を本格化し始めたことが大きいようです。

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パナソニックは、海外を含める新規採用の約8割が外国人とのこと。

ソニーも13年に採用する新卒者のうち30%を外国人にするらしいです。

ユニクロでは、11年の国内新卒採用者約600人のうち、半数を外国人にするとのこと。

ドン・キホーテでは、来年の新規採用130人のうち、50人が中国人の予定とのことです。

僕が、以前働いていた金融業界でも、同じような動きが広がっています。

野村ホールディングス(つまり、野村証券)は、ほとんど外資系企業になっているようです。

野村は、破たんしたリーマン・ブラザーズの一部を買収し、8千人以上のリーマン社員を継承しました。

その結果、それまで4千人程度だった外国人正社員が、1万1千人以上に急増。国内社員の1万5千人と変わらない数となりました。

ホールセール部門の現場ヘッドのほとんどは、旧リーマンの外国人が占めているようです。

また、野村では、グローバル型社員という枠組みで50人くらいの新卒採用を予定しているとのこと。

これは、初任給で55万程度と、通常の新卒の2倍以上の報酬が約束されていて、日本人でも外国人でも応募できます。

確かに、これまで外資系に優秀な人材が流出し放題だった金融業界において、当然の施策なのかもしれませんね。

よく考えると、経済のグローバル化を掲げるのであれば、国内雇用を自国民で独占できないのは当然のことです。

イギリスも、サッチャーの金融規制緩和によって、多くの外国資本と労働力が参入しました。

これは、「ウインブルドン現象」というネガティブな表現で呼ばれていますが、実際には、イギリス国内の雇用を増加させ、イギリス経済を復権させました。

アメリカのシリコンバレーにあるIT産業でも、外国人の活躍は印象的です。

グーグルのセルゲイ・ブリンはロシア生まれ。ヤフーの元CEOジェリー・ヤンは台湾出身。インテルのアンドリュー・グルーブは、ハンガリー出身です。

今や、シリコンバレーで「IC」と言えば、集積回路チップのことではなく、Indian & Chineseのことを指すとのこと。

僕の所属するドメスティック企業でさえ、ものすごく優秀な中国や台湾出身の社員が、何人もいます。

もはや企業にとって、日本人純血主義に固執する意味はまったくありません。

要するに、日本人の就職に関しては、「国内雇用は増えない」、その中で「優秀な外国人相手と競争しなければならない」という二重の厳しい状況になっているということ。

これは、高度成長期以来何十年も続いてきた日本人と日本企業の就職構造が大きく変化しつつあるということなんですね。

確かにこれは「氷河期」とは言わない。

ということで、学生さんにOB訪問されても、自分が経験したことがない状況について、アドバイスしなければならない状況。

うーん、ムズカシイもんですなあ・・・(^^;