「情報の伝わり方」が変わっている!

佐々木俊尚さんの「キュレーションの時代(ちくま新書)」を読みました!

前半は、僕の「ロングエンゲージメント」とほぼ同じ主張。いや、びっくりするくらい一緒でした。

僕が「ロングエンゲージメント」でお話しした、「ソーシャルメディアがつくる、あらたな生態系」を、本書では「ビオトープ」と名付けて説明されています。

同じく僕が、ソーシャルメディア時代に有用な、情報と情報を意味づけるための新たな視点を「コンセプト」と呼んでいたものを、「キュレーション」と定義されています。

さすがに、今をときめくITジャーナリストですから、その事例の幅広さ、掘り下げの深さは半端でなく、僕なんかは到底及ばないなあと思いつつ、でも、「やっぱり広告って、こっち側に向かってるんだ」と、妙に自信が持てたりとか。

本書で述べられている未来のビジョンをざっと振り返ると、

『世界の情報を流通させる巨大なソーシャルメディアプラットフォーム。

その上に形成されていく無数のビオトープ。

それらのビオトープに接続し、視座を提供する無数のキュレーターたち。

それらキュレーターにチェックインし情報を受け取るフォロワーたち。

グローバルなプラットフォームの上で、コンテンツやキュレーター、それに影響を受けるフォロワーなどが無数の小規模モジュールとなって存在する。その関係は常に組み替えられ、新鮮な情報が外部からもたらされていく。

そういう生態系の誕生。』

ということです。

そして、

『マスメディアを経由して情報コントロールする旧来の「広告」は消滅します』

と明確に主張されています。

まあ、この点については、僕はちょっと違っていて、マス広告は消滅せずに、違う役割が出てくるとは思っているのですが。

ただ情報の伝わり方が変わってきているのはその通りだと思います。

これまでのマーケティングは、「年齢」、「性別」、「地域」、「年収」などで人々をカテゴライズし、そのカテゴリーに情報を投げ込むことがマスメディアの役割だったわけです。

しかし、ソーシャルメディアの浸透は、このようなカテゴリーをリセットしてしまいます。

そして、「文化」、「趣味」などの「共感」をベースとした複層的な「つながり」に人々をシフトさせていきます。

そうなると、情報の伝わり方も、全くもって変わってくるわけです。

(下図は、さとなおさんこと佐藤尚之さんが提唱しているもの)

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広告業界で、ソーシャルメディアを取り上げようとすると、「今はブログだ!」とブロガーイベントを企画したり、「ツイッターが来た」とツイッターマーケティングに走り、「ツイッターはもう古い。次はフェイスブックだ!」と、キリがありません。

こんなふうな短期的な戦術をこねくり回しても、仕方がありません。

本書にもあるように、大切なのは、ソーシャルメディアを軸とした情報の流通経路がどのような全体像になっていくかというビジョンです。

もちろん、それがどういうものなのかは、まだまだ実験的にならざるを得ないと思います。

でも、僕の大好きなシャーロック・ホームズが、あるいはアンリ・ファーブルが、あるいはチャールズ・ダーウィンが、小さな小さな現象から、その生態系を解き明かしていったように、人々のつながりを丁寧にたどることでこそ、質の高いコミュニケーションを築いていけるのだと思っています。

情報の伝わり方を読み解かずに、本質的なコミュニケーションは追求できませんもんね。

あれ、今日は、なんかちょっと、キレイにまとめすぎたかな(^^;