ケータイに起きたことがテレビにも起きる

先日、スティーブ・ジョブズCEOから、アップルの新製品発表がありましたね。

次々に発表される新製品に、胸が鳴りっぱなしでした。

特に、iTunesの「Ping」というソーシャルメディア化は大注目です。

初めっから、1億6千万人もの登録者がいるわけですから、いきなりツイッターを抜いて、フェースブック、マイスペースに次ぐ、巨大コミュニティになるんですよね。

さて今日は、もうひとつの注目製品「Apple TV」がもたらす影響について考えたいと思います。

(写真はそのセットトップボックス。なんとわずか99ドル)

先日、夏野剛さんの講演を聞いたのですが、そのテーマであった「ケータイに起きたことがテレビにも起きる」ということが、いよいよ現実的になってきたと思ったのです。

京井良彦の「3分間ビジネス・スクール」-appletv1

ケータイのガラパゴス化は、よく言われます。

ガラケー(ガラパゴス・ケータイ)というと、世界基準のスマートフォンに対応できていないような、ネガティブな響きがありますが、それはあまりに短絡的な理解のようです。

実は、ほとんどの先進的ケータイ機能は、日本が最初なのです。

メール、カメラ、ネット接続、テレビ視聴、電子マネー・・・・日本では、こういった機能は、2000年頃から普及していました。

欧米では、NOKIAやモトローラーは、「スマートフォン」と定義付けた製品を投入していきましたが、日本のガラケーは、いわば既にスマートフォンだったのです。

しかし、2005年以降は、NOKIAやモトローラーも影をひそめ、アップル、マイクロソフト、グーグルというインターネットプレーヤーが、スマートフォン市場の覇権を取ってしまいました。

何が起きたのでしょうか?

要するに、「ものづくりの勝負」から「仕掛けの勝負」になっていたことに気がつかなかったのです。

日本では、通信会社が主導で、通話料やパケット料をあげるために、ハード機能の充実をメーカー側に要請していました。

しかし、グーグルはユーザーをネットに呼び込み広告に接触させること、アップルは、iTunesソフトから端末までの垂直囲い込みなど、そもそものビジネスの狙いが違っていたのです。

さて、これと同じことが、テレビにも起こると言います。

HTML5など、ウェブ機能の高度化で、テレビとウェブは一本化し、テレビもオープンプラットフォーム化していくと予想されます。

僕が先日参加したカンヌ国際広告祭でも、この秋グーグルが発売予定の「GoogleTV」のデモンストレーションがありました。

この製品のポイントは、テレビコンテンツとウェブコンテンツが並列に共存することです。

今放送中の番組か、過去のウェブ上のコンテンツかをを意識せずに、自分の好きなコンテンツを画面で見ることができるようになります。

京井良彦の「3分間ビジネス・スクール」-googletv

また、Apple TVは、もう一歩進んで、具体的なコンテンツの提供が見えています。

映画のストリーミングレンタルや、FOXやディズニーチャンネルの番組レンタルです。

もちろん、YouTobeやFlickerなどから、音楽、写真、ビデオなどはストリーミングが可能です。

京井良彦の「3分間ビジネス・スクール」-appletv2

しかし残念ながら、アップルTVは、日本では対応するテレビ局が出てきていないので、発売が未定です。

GoogleTVなどは、そのうち、テレビ番組をすべてサーバーストックしておいて、ライブで見逃した番組をいつでも引き出せるようになったり、TVCMなどの広告が、どの番組を観ようが、自分に関連するレコメンド広告になったりというモデルが構築されていくことが予想されます。

つまり、テレビも「ものづくり」から「仕掛け」の勝負に変わっているのです。

日本では、高画質液晶や、3Dなどの激戦がつづいていますが、どうなるのでしょうか?

このままでは、「ガラテレ」なるものになっていくことが、目に見えるようですが。。。

テレビCMに頼っている、日本の広告会社も早く手を打つべきだと思います。

新しいウェブTVのオープンプラットフォーム上での広告課金システムは、まだどこも開発できていません。

ここは、放送局との連携が必要なので、日本的な政治のネゴが必要なところでしょう。

とにかく、グーグルがやっちゃう前に、早くするのだ!