SXSWで「GAFA分割論」が勃発した!

SXSW(サウスバイ・サウス・ウエスト)に参加するため、米国テキサス州オースティンに行ってきました。

「テキサス」と検索すると「チェンソー」と出てくるなど、テキサス州には独特のイメージがありますが、オースティン自体は「第2のポートランド」といわれるコージーな雰囲気で、ホールフーズの一号店があることでも有名です。

そして僕のいる業界では、やはりSXSWです。
元々、SXSWは、1987年から開催された音楽の祭典でした。
それに映画祭が加わり、1998年には「インタラクティブ」というハイテクの見本市が加わりました。

テキサスには、半導体のテキサスインスツルメンツもあるし、テキサス大学の学生だったマイケル・デルがデルコンピュータを生んだし、インテルやサムスンも拠点を置いているなどなど、テクノロジーと相性の良さがあります。
これは、テキサス州がハイテク産業の誘致と育成に熱心だからです。

「音楽」と「ハイテク」の祭典なんていうと、なにかチグハクに感じますが、どちらも若者と相性がいいんです。
それから「政治」の話題もSXSWには多い。
日本とは違って、これも若者と相性がいいんですね。

音楽には、政治体制に対する若者の不満が反映されやすい。つまり若者の潜在ニーズがつまっています。
その音楽をみんなが共有するために、テクノロジーがサポートして発展するという構造があります。

音楽の楽しみ方がライブからレコードやカセットの音源所有になり、個人の嗜好になるのをウォークマンが支え、デジタル所有のCDからiTunes、デジタル共有のSpotifyが登場してくるというような発展構造のことです。

その構造をみていると、音楽業界で起きたことが、ファッション、メディア、家電、車という業界に波及していくことがわかります。
なので、音楽業界を見ていれば、産業界で次に何が起こるかが、なんとなく予測できると思います。

さて、今回のSXSWでは、ひとコマのセッションが大きく話題になりました。
2020の米国大統領選挙 に名乗りをあげている民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員が登壇し、「GAFA(グーグル・アマゾン・フェイスブック・アップル)など巨大テック企業を分割する」ことを選挙公約として宣言したのです。

by Austin Chronicle

SXSWは、2007年に黎明期のツイッター社に賞を授与し、SNSの普及に大きく貢献しました。
そんなSXSWの場で、こういう宣言が発信されたこと自体が衝撃なわけです。

彼女いわく、今は巨大テック企業がプラットフォームを独占し、情報を囲って、利益を独占していることがあらゆる問題を引き起こしているとのこと。

「SXSWに出店しているスタートアップも結果としてGAFAの利益のために活動することになっている。そうでなく、アメリカのために活動してほしい」という発言がありました。

今回のSXSWは特に大統領選挙に絡むだろう政治家がたくさん登壇しましたが、エリザベス・ウォーレン上院議員のセッション以降は、この公約である「ウォーレン法」についての議論で持ちきりでした。

「GAFA分割」というワードは、政治公約的にキャッチーな極論だと思いますが、具体的には、独禁法を強化してグーグル、アマゾンなどの経営に、一部当局が介入するということです。

具体的な例として説明されていたのは、GAFAにとっての競合サービスが出現したときに買収によって防衛するという策を制限するとのことでした。
過去にグーグル買収したダブルクリック社や、アマゾンが買収したザッポス、ホールフーズなどの資本を手放させて、正常な競争環境を取り戻そうということなんでしょう。

なるほどと思いつつも、僕自身はあんまり賛同できませんでした。
いちユーザーとしてはGAFAのサービスに依存しつつもそれだけの恩恵を受けていますし、情報独占が問題なのであれば、問題は企業の大きさにあるのではなく、別の解決法があるんじゃないかと思うのです。

と思っていたら、インスタグラムのファウンダーであるマイク・クリーガも別のコマに登壇して同じような発言していました。

ちなみに、今回のSXSWでは「2020」というキーワードが頻出していました。
日本ではオリンピック・パラリンピックを指す「2020」は、グローバルではアメリカ大統領選挙のことを指すものであることに、あらためて気づかされました。

とにかくSXSWでは、政治、テクノロジー、音楽、映画と多岐にわたるテーマでいろんな情報が入り乱れていて、とても全部は紹介できませんが、まずは大きく話題になった件を取り上げました。

GAFAについては昨年のベストセラーのこの本が詳しいですね。