香港の「モンスターマンション」に行ってみた:ガイドブックにないスポットの歩き方

2018年8月、香港の鰂魚涌(クオーリーベイ)にある「モンスターマンション」と呼ばれる超人口過密住宅を訪ねました。

すでに取り壊された「九龍城」を彷彿させる風貌で、1960年代に建てられ、現在は2,000戸もの部屋に人々が住んでいるとのこと。

フランス人写真家Romain Jacquet-Lagrèze氏がSNSで紹介して、一部のマニアで話題のスポットになり、2014年公開のハリウッド映画「トランスフォーマー」や、日本でも満島ひかるのPV「ラビリンス」のロケ地になっています。

出典:www.flickr.com

1. 鰂魚涌(クオーリーベイ)の行き方

とはいっても、ここは一般の方々の居住区であるため、ガイドブックでは積極的に取り上げていません。
住民プライバシー保護のため、今となっては、立ち入りも撮影も許可なしではできないらしい。

そこまで言われると、なおさら興味を駆り立てられてしまい、撮影はNGでも外観だけでも見てみたいと、だめ元で現地に向かいました。

しかし、それがどこにあるか、どうやって行くか、ガイドブックには載っていません。
ネットで調べると、香港島からトラム(路面電車)に乗って30分くらい先にある鰂魚涌(クオーリーベイ)と太古(タイコー)の間あたりにあることは分かりました。

ということで、中環(セントラル)からトラムに乗って鰂魚涌(クオーリーベイ)に向かいます。
トラムの窓からの街なみはレトロで雰囲気ありますが、車内は空調もなく激混みで気分が悪くなります。

料金は、距離に関係なく一律一人 2.6HKD(約30円)。
乗ったトラムは、鰂魚涌(クオーリーベイ)の手前の北角(ノースポイント)止まりだったので、そこから歩くことにしました。

しばらくすると、道を挟んで反対側にその外観が見えてきます。

なるほど、「モンスターマンション」だ。
今にも崩れそうな巨大な建物で、普通にビジネスマンなど一般の人々が行き来するなかで、ひときわ異彩を放っています。

2. モンスターマンションの内部

さあ、内部は撮影できるか?

入り口に管理人室があったので、管理人に「入って撮影していいか?」と聞くと、関心なさげにうなずいてくれました。
これを許可を得たといっていいのか不安でしたが、カメラを持って中に入りました。

建物の形は上から見ると「E」の字になっていて、中庭が2ヶ所あります。
1階は食事処や売店、クリーニング店などが入っているので、立ち入り禁止というわけではないようです。

さて、中庭に入って見上げると、その光景に圧倒されました。

ぐるりと囲む住居のベランダとそこに並ぶたくさんの室外機や洗濯物。
香港に住まう人たちの熱気とエネルギーが満ち溢れています。

3. 旅におけるプライバシー問題

そして、やはり注意看板がありました。
住民プライバシーのため許可なく撮影してはだめとのこと。

ただそれでも、結構大胆に撮影している特に欧米の観光客がたくさんいたことは確かです。

僕の旅の狙いのひとつに「現地の人々の生活を知る」というものがあります。
観光地でなく、現地の人たちが日常的に利用している市場に行ったり、住宅地を散策したり。

そこには、どうしてもプライバシーの問題が付いてまわります。
これをクリアするには、どうするか?

それは現地の方々の生活へのリスペクトしかないと思います。

今回でいえば、香港の人口密度の高さという特性が生み出した生活様式。
その日常と世界観を敬意をもって体感させていただくということ。

これこそが旅の醍醐味だと思っています。
今回もたくさんの学びがありましたが、できればもっと現地に溶け込みたかった。

さて、鰂魚涌(クオーリーベイ)のモンスターマンションは、なかなかガイドブックには載っていませんが、こちらの「ソロタビ 香港」の10ページには写真が掲載されています。

こちらのリーマントラベラーの本にも、香港旅のエピソードの中で紹介されています。

本当はこの本で魅了された「九龍城」が現存していれば、訪ねてみたかったです。
モンスターマンションに「九龍城」への想いを重ねる人も多いと思います。